【天然の薬】唾液(つば)の力が人生を変える?お口の潤いが守る「一生モノの健康」

2026.06.15 9:00

こんにちは!くりもり大人こども歯科クリニックです。

皆さんは、普段自分の「唾液(つば)」について意識したことはありますか? 「ただの水分でしょ?」と思ったら大間違い。実は唾液は、私たちの体の中で作られる「最強の天然薬」と言っても過言ではないほど、驚くべきパワーを秘めているのです。

最近、「お口が乾きやすい」「食べ物が飲み込みにくい」「しっかり磨いているのにむし歯になりやすい」と感じることはありませんか?それは、あなたの唾液の力が弱まっているサインかもしれません。

今回は、知っているようで知らない「唾液のすごさ」と、その力を引き出すための秘訣について詳しくお話しします。

1. 唾液が果たしている「6つのすごい役割」

唾液は1日に1リットルから1.5リットルほど分泌されます。その成分の99%以上は水ですが、残りのわずか1%未満の中に、私たちの健康を守るための重要な成分が凝縮されています。

・再石灰化作用(歯を修復する) 以前のブログでもお話しした「再石灰化」の主役は唾液です。食事のたびに酸で溶けかかった歯の表面に、唾液に含まれるカルシウムやリンが戻ることで、歯を元通りに修復してくれます。

・自浄作用(お掃除する) 食べかすや歯の表面についた細菌を洗い流してくれます。唾液が少ないと、お口の中にゴミが溜まったままになり、むし歯や口臭の大きな原因になります。

・殺菌・抗菌作用(菌と戦う) 唾液には「リゾチーム」や「ラクトフェリン」といった、菌の繁殖を抑える成分が含まれています。お口から入ってくるウイルスや細菌から、体を守る最初のバリアなのです。

・消化作用(胃腸を助ける) アミラーゼという酵素が、食べ物に含まれるデンプンを分解し、胃腸での消化を助けます。よく噛むことで唾液が出れば、全身の栄養吸収も良くなります。

・粘膜保護作用(お口を守る) ムチンという成分が、お口の中の粘膜を潤し、傷つかないように守ります。また、食べ物を飲み込みやすい形(食塊)にまとめる役割もあります。

・緩衝能(かんしょうのう:中和する) 食事をして酸性に傾いたお口の中を、中性に戻す力です。この力が強い人ほど、むし歯になりにくいと言われています。

2. なぜ現代人は「唾液の力」が弱まっているのか?

これほど優れた力を持つ唾液ですが、残念ながら現代人はその分泌量が減っている傾向にあります。主な原因は以下の3つです。

・噛む回数の減少 昔の食事に比べ、現代の食事は柔らかく、あまり噛まなくても飲み込めるものが増えました。唾液は「噛む刺激」によって分泌されるため、噛む回数が減れば、当然唾液の量も減ってしまいます。

・ストレスと自律神経 唾液は自律神経によってコントロールされています。リラックスしている時はサラサラした唾液(副交感神経)が出ますが、ストレスを感じて緊張している時はネバネバした唾液(交感神経)になり、量も極端に減ってしまいます。「緊張して口がカラカラになる」のはこのためです。

・水分不足と薬の副作用 加齢や、血圧のお薬などの副作用で唾液が減ることもあります。お口が乾く(ドライマウス)と、自浄作用が働かず、一気にむし歯や歯周病、さらには誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

3. 唾液の質を高めるための「くりもり式」ケア

当院では、皆さんの「天然の薬」である唾液の力を最大限に引き出すお手伝いをしています。

・V7(つまようじ法)による刺激 実は、V7を使って歯ぐきをマッサージすることは、唾液分泌にもプラスの影響を与えます。歯ぐきの血行が良くなり、お口全体の組織が活性化されることで、質の良い唾液が出やすい環境が整います。

・プロによるクリーニングとアドバイス 自分では気づきにくい「お口の乾燥状態」を私たちがチェックします。汚れ(プラーク)を取り除くだけでなく、唾液を出すための「唾液腺マッサージ」のコツをお伝えしたり、噛み合わせを整えてしっかり噛めるようにサポートしたりします。

4. 唾液力をアップさせる!明日からできる3つの習慣

お家で今日から実践できる、唾液を増やすコツをご紹介します。

  1. 「一口30回」噛むことを意識する いつもの食事に、プラス5回から10回噛む回数を増やすだけでも効果があります。

  2. こまめな水分補給(お水がベスト) 体が水分不足だと唾液も作られません。一度にたくさん飲むより、少しずつ回数を分けて口を湿らせることが大切です。

  3. 鼻呼吸を徹底する 口で呼吸をすると、せっかく出た唾液がどんどん蒸発してしまいます。口を閉じて鼻で呼吸するだけで、お口の潤いは劇的に変わります。

5. まとめ:潤いのあるお口で、豊かな人生を

唾液は、私たちが生まれてからずっと、文句も言わずに歯と健康を守り続けてくれている「名脇役」です。しかし、その恩恵を十分に受けるためには、私たち自身が「唾液が出やすい体」を作ってあげなければなりません。

「最近、味覚が変わった気がする」 「お口の中が粘ついて、会話がしにくい」 「むし歯が急に増えてきた」

もしそんな不安があれば、それは唾液からのSOSかもしれません。 くりもり大人こども歯科クリニックでは、お一人おひとりの唾液の状態を見極め、一生モノの健康を守るための最適なプランをご提案します。

潤いのある健やかなお口で、美味しい食事と楽しい会話をいつまでも楽しんでいきましょう!

くりもり大人こども歯科クリニック 院長 齋藤栄文